冬の山に一人で入って、ひたすら杉の穂を採り続ける。山の地形や杉の状態にもよりますが、コンスタントに1日に3万円(税込)前後は稼げる仕事が佐伯市にありました。
さて、竹工芸で生活するのが難しかったので、知り合いを頼りに色々仕事をやってみました。

その中で飛びぬけて報酬の高い仕事、それが杉の穂の採取の仕事になります。植林に使う杉の穂を採取して森林組合に卸すという仕事です。最終的には大手、小規模の植林をしている林業関係の会社に販売されることになります。
20代の頃からいくつか季節労働もやってきましたが、正直この仕事が一番自由度も高く、報酬も高いという結果になりました。
ガチの林業関係者がやっているのかなと思ったのですが、実はそうでもなく田舎あるあるでやはり若い労働力がいない状況なので、友達が紹介してくれた森林組合の担当者の方からは是非やってほしいというような感じでした。

この仕事のメリット、デメリットを簡単にですが挙げてみました。一つずつ見ていきましょう。
メリット
全て一人で完結できる
これがこの仕事の最大のメリットではないかと思いますが、誰かと一緒にやる必要がないので人間関係のストレスみたいなのはゼロです。存在しないというのが正しいかもしれません。夫婦やパートナーと一緒にやることもでき、その場合は一人でやるよりも効率も良いと思います。
好きな日、好きな時間、好きなだけできる
これも普通の仕事ならなかなかない事だと思いますが、自分の都合に合わせてやりたければやれば良いし、やりたくない時はやらなくて良いという選択をとれます。今日は雨だから、遊びたいから休むなんていうのも自由です。

耳は空いているので音楽やポッドキャスト、音声学習などを聞きながら作業できる
誰かと一緒にやる必要もないので、身体を動かしながら耳では音声学習するなどして、一日中情報をインプットする時間に充てられます。
黙々と一人で作業する仕事であっても、自由に好きなものを聞きながらできる仕事など、個人で仕事をする以外はほぼないのではないかと思うのでこの点もポイントが高いです。
40代の自分でも一日3万円以上稼げる日が多かった
ひたすら山に入って穂をカットして束ねて納品するという単純作業ですが、私の場合は大体朝8時前後くらいに家を出て20分ぐらいで現場に到着し、納品は軽トラがいっぱいになる2日に1回ほどにして、17時~18時には帰宅していました。
お昼休憩は車の中で自作のお弁当やフルーツを食べて短い昼寝を挟み、トータルで40分ぐらいは休憩して再度作業を開始するような感じの動き方でした。
それで大体1日3万円分くらい、私が一人ですべて作業して得た最高報酬は1日約4万円です。この時は場が結構平らで、杉も状態の良いものが密に生えていてサクサクと作業が進みました。
無駄のない動きをすることで作業効率を上げる工夫をする、複数人で行う事でトータルでの作業スピードを上げる、作業時間を長くするなど改善していけば、まだまだ伸びしろはあるのかなと。
採れる場所の杉の状態や斜面、天候、生えている密度などにもよって効率も変わってくるので日によって多少前後しますがだんだん体も慣れてくるので効率はアップしていった印象です。

大きな初期投資が車ぐらい
植林の為に整備された山の中に入っていくので、車は必ず必要になります。なので車がない場合は、その費用は掛かります。
しかし、その他必要なものに関しては、アイテム数は多いもののそこまで大きな出費にはならず1日やればペイできてしまうぐらいのものです。
ロープ類はリサイクルされるので出荷した後にある程度は戻してくれます。
| 道具 | 補足 |
| 軽トラ | 四駆がベスト |
| ゴム手袋 | |
| 汚れても良い服 | |
| ヤッケ、雨具 | 体温調整、雨に直接濡れると寒すぎる |
| 剪定ばさみ | |
| 庭仕事用ダストボックス | 折り畳みできて自立できるもの |
| ブルーシート | 穂を一旦集める時に便利 |
| PPロープ | 穂を縛るのに指定される |
| ハウスバンド | 〃 |
| スパイク足袋 | あった方が山歩きが楽 |
何か自分で事業を始めることを考えると比較的安い初期投資で始められるのではないかと思います。

デメリット
全て自己責任
車が故障した、作業中けがをしたなどトラブル関係はすべて自己責任なので、その点は注意が必要です。自分で個人事業主として労災保険に入ったり、車の保険の補償内容を見直したりなどの万が一に備えた対策は必要です。
ガソリン代や経費は全部自分持ち
ガソリン代や束ねるためのロープ代など続けていく上で必要な消耗品代などがかかってきます。ガソリン代がほとんどですが、お昼ごはんなども自炊するか、買うかで出費が大きく変わると思います。
自分は少しでも節約したいので、毎日自炊してお弁当やおにぎり、ちょっとしたおやつなどを持っていっていました。飲み物もお茶を沸かして熱いお茶と冷たいお茶両方用意し、その時の飲みたいものを選べるようにしていました。
四駆の車じゃないと行けない場所がある
これが結構ネックなのですが、二駆の車だと雨の時などに滑ってしまって登りきらなかったり、そもそも急坂すぎて無理だったりなどの場合があります。
こうなると遠い場所から現場まで歩いていかなければならず、また重たい穂を持って帰ってくる距離も伸びる為、想定より穂を取れないという結果になります。

不良品の穂は他の出荷者と連帯責任になる
穂は出荷場に他の出荷者と一緒に並べることになり、ある一定期間はそこでプールされますが、その中で不良品の穂があった場合は連帯責任として返品されることになります。
仮に自分がきちんとした穂を出せていたとしても他の人が悪い穂を出荷すると返品合計本数を全体の出荷数で按分する為、多く出荷するとその分返品の負担も大きくなります。
切った穂は水に漬けておかないと数日で枯れてしまう
切った穂は水分や養分を得る事ができないので、冬場であっても数日で色が変わります。出荷する場所にも常に流水が張り巡らされた小さなプールがあり、穂が枯れないようになっています。我が家はすぐそばに小川があるのでどうしても用事などで持っていけない時は小川に漬けています。

デメリットもそれなりにあるが、それを上回るメリットがある
特に、やりたいことがあるのになかなか成果がでなくて生活に困っているという人にはこの5か月は杉の穂採取に力を全振りして短期集中で稼ぎ、それが終わったらやりたいことに集中するなんてことも十分可能かと思います。
1シーズンでの全体での出荷数が決まってはいるのですが増加傾向で、去年は確か35万本だったと思います。毎年多少の変動はあるとは思いますが、急にものすごく少なくなったりはしなさそうなのでこの先10年以上は安定して仕事があるのではないかと言われています。

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