19万キロ、30年落ち、「0円軽トラ」譲渡の現実。安易に手を出すと無限修理地獄がはじまった

田んぼに山仕事、近所の草刈り。田舎暮らしをしていると、大量の道具や泥だらけの資材をドカッと積める軽トラのありがたみを痛感する場面が何度もあります。

しかし我が家にはすでに普通車と軽自動車の2台(いずれもボロ車)があり、「さすがに3台目は不要だし維持費もかかる」「夫婦二人とも子供の送迎ができる車じゃないと生活が不便すぎる」とずっと悩んでいました。

そんな折、昨年11月にお世話になっている農事法人さんから「軽トラ処分するけど要る?」とお声がけが。見てみるとなんと30年落ちのホンダ・アクティトラックでした。

「タダなら!」と飛びつきそうになりますが、現実は甘くありません。

2か月後に切れる車検の取得とタイミングベルト交換やオイル漏れなど車検通過の為の全体の修理費用込みで初期費用は15万円。正直「0円譲渡にしては高いな…」と一瞬怯みました。

しかし、最近の物価高などで相当やばそうな状態の軽トラでも結構なお値段が付いています。

穂を積むアクティ

こんなふうに山での「杉の穂」の運搬効率が劇的に上がる計算が見えていたこともあって、腹を括って我が家に迎えることにしたのです。

「農道のポルシェ」の真価と、予期せぬ洗礼

実際に現場へ投入してみると、軽トラの威力は絶大でした。 杉の穂の運搬力は跳ね上がり、仕事の効率は段違い。

さらに四駆(4WD)の走破性は伊達ではなく、相当荒れた山道でも力強くグイグイ登っていきます。「さすが農道のポルシェ、伊達じゃないな」と感心していたのも束の間……ここから相次ぐ「トラブルの連発」が始まりました。

我が家にやってきてからの災難リストがこちら

  • プロペラシャフト、山中で脱落(修理代:3万円)
  • ハイオク満タンでエンジン沈黙(プラグ交換:3本6千円)
  • 吹けきらず山を登らない(ディストリビューター・コイル交換:2万6千円)
  • 冷却水の激しい減少(恐らくガスケット破れ/本当はダメだけど現在も水や冷却水を足しながら騙し騙し走行中)

特にシビアだったのは、山中でのプロペラシャフト脱落です。この状態で走ると最悪外れたシャフトが車内に突き刺さる可能性もあり危険すぎます。

プロペラシャフト脱落

結局、山の中で身動きが取れなくなり、観念してレッカーを呼ぶハメに。

比較的まだ舗装された道が多く、レッカー車も入れるようなものすごい僻地ではなかったことと、平らに広がった山の中腹みたいなところまで出れたのは幸いでした。

レッカー車

車検を通してもらったりとお世話になっている車屋さんに入院してもらう事に。

「災難やったな(笑)」と車屋の社長に同情(失笑)されつつ、国道まではレッカーの助手席、そこからは保険会社の指示でタクシー帰宅という、なんとも言えない切ない展開を経験しました。

一度帰宅し、普通の軽自動車で山に引き返して作業を再開したものの、大幅なタイムロスでその日の成果はいつもの半分。

さらに「エンジン内部をきれいにしよう」と良かれと思って行きつけのガソリンスタンドでハイオクを入れたら、キャブ車(あるいは老朽化した機関)の機嫌を損ねて完全にエンジンがかからなくなるという痛恨の裏目プレイまで犯してしまう始末。

プラグ

ハイオクが原因でエンジンがかからないというのは、もしかしたらプラグが被ったせいなのかなと外してみたらやや燃料の濡れがあり、真っ黒でだいぶ減っていました。

プラグならすぐ用意できるよと言ってくれたので3本全部交換し、何度もエンジンスタートをトライするとようやく燃料の燃焼が安定したのか何とかエンジンがかかりました。

顔なじみのスタンドだったのが唯一の救いです……。

更なる悲劇、大したことない山道も登らない

さらに山道を登っていかないというパワーのなさが顕著に出るようになり、原因を追究してもらうとディストリビューターとイグニッションコイルが原因。

  1. イグニッションコイルが「超高電圧の電気」を作る
  2. ディストリビューターがそれを「順番通りに各プラグへ送る」
  3. スパークプラグが「バチッと火花を散らしてガソリンに着火!」

というチームワークで動いています。

中古の部品を取ってもらい交換してもらいましたが、中古部品も高くなってるのだとか。

やたら燃費が悪いなと思っていたのもそのせいだったようです。

満身創痍、それでも頑張ってくれるアクティトラック

トラブルは走りの部分だけにとどまりません。

エアコンは効かず、デフロスター(曇り止め)も不発。

無理に使おうものなら、ただでさえ悪い燃費が笑ってしまうほど悪化します。

サスペンションも限界を迎えており、ほぼ平坦な舗装路ですら強烈な突き上げが腰を襲いますが、これ以上修理費をかけるわけにもいかず放置一択です。

冷静に考えれば、自分で車いじりができないような人間が手を出していいコンディションではありません。

車検代と相次ぐ修理代で、初期の15万円からはかなりのオーバーラン。

車屋さんや保険会社、レッカー業者さんをフル活用しながらなんとか維持している状態です。

ですが、杉の穂を山ほど積んで荒れた林道を頼もしく突き進んでくれる姿を見ると、「うん、杉の穂の仕事やその他の山、竹、米仕事で元は取れている!」と自分で自分を強力に自己洗脳しています。

子どもたちの送迎には使えないため、「もし我が家で1台だけに絞るなら、間を取って軽バンがベストなんだろうな」という現実的な解も見えました。

それでも、せっかくの素敵な(?)ご縁で我が家にやってきてくれた30年落ちのアクティトラック。ポンコツで手はかかりますが、限界が来るその日まで、とことん付き合って働いてもらおうと思っています。

私以外にも農道のポルシェと農道のフェラーリ(サンバートラック)を現役で使用する米作りメンバー

こういう場所だからというのもあると思いますが、我が家と同じような初期登録が平成一桁代の軽トラはまだまだ健在で、佐伯市内を走っていても特に古いアクティはちょくちょく見ます。

アクティとサンバー
米作りメンバー所有のアクティとサンバー

軽トラが生活の足であり相棒でもあるこの地域だからこそ、探せば奇跡的に状態の良い個体が残っているのかもしれません。

アクティは7万キロほどの走行距離で私の家の近くの車屋さんにあったそうです。値段は10万円。

フェラーリ(サンバートラック)は個人売買の様ですが、知り合いから譲ってもらって13万キロで同じく10万円ほどだったようです。

古い軽トラは一台あると間違いなく重宝しますが、どんな個体と出会うかでその後の手入れの手間は天と地ほど変わります。

この2台に関しては車検の時以外はほぼなんもしてないという事でした。

いま頑張ってくれているアクティがいつか限界を迎えたときには、今回の経験を生かして、次こそはしっかり吟味して程度の良い一台を選びたいと思います。

この記事を書いた人

大阪府出身。20〜30代の迷走を経て40代も迷走中ですが、着地したのは大分県佐伯市。
普通の感覚なら一歩踏み出しにくい「0円物件」を拠点に巻き起こる日々の暮らしを発信したいと思います。

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